ウォッチケース KAI

ウォッチケース KAI




こだわりに添える工芸の美

彦根仏壇の荘厳な輝き。その工芸品質が時計ケースになりました。妥協のない素材と職人の精緻な技が、こだわりの時計を引き立てます。
時計ケース“KAI”は、日本が誇る伝統工芸の技術がつくる最高級の工芸品です。
四方を厚い銘木で囲い、中央に真鍮の水平ラインを象嵌して結界にし、上部は熱線と紫外線をカットするグレーのガラスで覆いました。
精緻な木工技術と塗装技術が内部にひとつの世界を生み出します。

トップは微量の金属成分を含んで着色されたライトグレーのガラス。熱線と紫外線を抑え、内部の時計を守ります。引出しは3段スライドレールにより、全て引き出せます。余裕のある55 × 90mmのスロットサイズ。専用クッション付き。


時計ケース KAI の四周の木材は唐木、海外銘木、漆塗り、蒔絵、金箔仕上げなど、特注品を承ります。
詳しくは取扱い店または株式会社井上までお問い合わせください。
スロットのサイズは幅55mm × 長さ90mm。専用クッション付き。
天面ガラスは熱線を58%カット、紫外線を77%カットするグレーペーン。
金物等は全て非磁性素材で作成しています。

Titleウォッチケース KAI
Date2021.10
題目Watch Case
素材天然木ウォルナット(ウレタン塗装)、ヒバ、MDF、真鍮、ガラス(グレーペーン)、人工皮革スエード、非磁性金物
サイズW395 × H128 × D138mm / 3,800g
※天然素材を利用した職人による手づくりのため、重量・寸法など微妙に異なる場合があります。
デザイナー乾 陽亮
撮影大野 博

統合した伝統工芸の素材と技法

  1. 木工

    木地は、製品の土台・フレームなどを作る最初の工程です。
    INOUEの木工の基本は、城下町彦根で江戸時代から続く伝統の金仏壇製造で培われた工芸品質です。
    彦根仏壇の木地は、日本建築と同じく釘を使わないホゾ組みを得意としています。材料を吟味し部材の切り出しから継手や面取りに至るまで、妥協のない品質で職人がひとつひとつ手作りする木地は、何世代にも受け継がれる仏壇を支えています。
    INOUEの製造ネットワークは量産が得意な他産地の木工所との繋がりもありますので、プロジェクトに適した木工で対応いたします。

  2. 錺金具

    工芸に使われる金物のうち、装飾性に富む金工品を錺金具(かざりかなぐ)と呼びます。使われる場所や目的に合わせて、銅や真鍮などの金属を使い、立体的な形に彫る地彫(ぢぼり)や、細かな線を彫り込む毛彫(けぼり)、地金に穴を開けて奥行き感を出す透し彫りなど様々な技法があります。
    最近では、コストを抑えるためにプレス・電気鋳造(電鋳)・エッチング金具などの金具も多く使用されています。
    データをいただければ、家紋や社章などを彫ることも可能です。
    錺金具の仕上げも、金めっきで金を施す方法から漆を挿したり、くすべ・ふすべ、黒く光るニッケルめっきなど、様々な技法があり、これらを組み合わせて加飾します。木工品との相性も良く、様々な工芸品でポイントを演出します。
    INOUEでは、最適な技法・装飾方法を選択してご提案いたします。

  3. 塗装(カシュー・ウレタンなど)

    INOUEでは、伝統工芸の高度な天然漆本堅地をはじめ、同じ漆科のカシュー(和名:勾玉の木)から採れる天然樹脂のカシュー塗料や、合成樹脂のウレタン塗料まで、あらゆる種類の塗装方法を可能としています。
    サイズもコーヒーカップなどの小さなものから建材に使用する大きなものまで幅広く塗装可能です。
    仏壇工芸の要とも言える塗装の品質は、常に厳しい目をもって吟味しています。
    INOUEは、技術力を持った職人のネットワークを有し、あらゆる塗装のご要望にお応えします。

  4. ガラス

    ガラスは伝統工芸の世界では比較的新しい素材です。
    漆などを塗ることは、密着度の問題があり難しかったのですが、最近塗ることができる漆も開発されました。ガラス越しに裏側を見ることができる面白さもあります。
    ガラスにもさまざまな種類があり、仕入れも比較的容易ですが、割れる素材のため工芸品に取り入れる場合はその扱いには配慮が必要です。割れにくくするために抑える方法と小口には格段の配慮が必要です。また、高級品では万が一割れてしまっても修理できるように制作することを提案しています。