華道家の方とコラボレーションして作成した数々の花器です。
展覧会に使用しました。生け花を引き立てるシックな色目やデザインとなっています。
蒔絵は、霰(あられ)や松葉といった植物に関連する絵柄としています。
木材は水に弱いですが、内部に銅板をはめ込み水対策は完璧です。
INOUEでは、ご希望の寸法や形から仕上がりイメージまで、お客様と相談の上いちからお作りいたします。
Title | 木製角型花器 |
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Date | 2007.04 |
題目 | 花器/インテリア |
技法 | 木工、塗装、蒔絵、金箔押し |
素材 | ヒバ、カシュー塗料、金粉、アルミ粉、金箔、ニス、銅板 |
サイズ | 霰タイプ W249 H140 D838 mm 金箔タイプ W130 H180 D99 mm 朱タイプ W99 H140 D99 mm |
発注者 | 自社開発 |
木地は、まな板にも使用する水に強いヒバ材を使用しています。水が入って重たくなっても大丈夫なように厚い材料で仕上げています。
塗装は、カシュー塗りで、金箔の下は金箔の艶を考慮して艶消し塗料で塗装しています。
金箔押しは、本金箔を使用しその後剥げ防止のためにニスでコーティングしました。
蒔絵は、金粉を蒔いたままの消し蒔絵で描き、その後剥げ防止のためにニスでコーティングしました。
蒔絵とは、漆で仕上げた面の上に、漆で絵や線を描き金・銀などの金属粉を蒔く技法であり、雅で華やかな雰囲気を醸し出します。
内部の水を入れる落とし込みの容器は、銅板を溶接してピッタリサイズで製作し、見た目と耐久性を上げるため表面に黒ニッケルメッキ加工を施しています。
木地は、製品の土台・フレームなどを作る最初の工程です。
INOUEの木工の基本は、城下町彦根で江戸時代から続く伝統の金仏壇製造で培われた工芸品質です。
彦根仏壇の木地は、日本建築と同じく釘を使わないホゾ組みを得意としています。材料を吟味し部材の切り出しから継手や面取りに至るまで、妥協のない品質で職人がひとつひとつ手作りする木地は、何世代にも受け継がれる仏壇を支えています。
INOUEの製造ネットワークは量産が得意な他産地の木工所との繋がりもありますので、プロジェクトに適した木工で対応いたします。
漆で絵や文様を描き、金粉などを蒔きつける漆芸技法を蒔絵(まきえ)と呼びます。広義では螺鈿や切金などを含んだ加飾を概ね蒔絵と呼ぶこともあり、金粉のみで表現したものを特に金蒔絵と呼んで区別することもあります。 蒔絵は日本で生まれ、独自に発展した日本のみに存在する伝統漆工芸技法です。平蒔絵や高蒔絵、さらに平蒔絵を一旦漆で埋め直し砥石や研炭などで蒔絵後の塗面を研ぎ出す研出蒔絵(とぎだしまきえ)など様々な技法が生まれました。さらに蒔き終えた金粉や銀粉の上に透き漆や色漆で塗り固め、研ぎ出して表現したり、金粉や銀粉等の号数による細かさなどの種類によって奥行きを表現したり、多彩な加工手法を駆使する事により表現の幅が時代と共に発展してきました。 また、安価な加工手法として、金粉を蒔いたままの「消し蒔絵」やシルクスクリーン印刷を応用した「スクリーン蒔絵」もあります。 INOUEでは様々な技法を持つ蒔絵職人のネットワークがあり、ご要望に適した技法を手配しております。
箔押しとは、金箔や銀箔、白金箔で物品を覆う装飾技法です。彦根では箔押しと言いますが、他の地域では箔貼り・箔置きとも呼ぶそうです。
金箔は、金の延びる性質を利用して厚さ約0.0001ミリメートル(1ミクロン)まで均一に延ばしたもので、ここまで薄く均一に延ばせる技術は日本だけにしかありません。鼻息で飛んでいく薄さです。
ひとくちに金箔といっても、純度が高いものから銀を合金して色味を調整したものまで、さまざまな種類があります。また、箔の押し方にも箔の光沢を出す技法や上品に優しい光沢を出す技法などがあります。
INOUEでは、高い技術が必要な広い大きな板の箔押しから、彫刻などの曲面全面の箔押しまで、熟練した職人による幅の広い箔押し技法に対応しています。また、今までは難しいとされてき現代素材であるアクリル樹脂やガラスへの箔押しにもお応えしています。
INOUEでは、伝統工芸の高度な天然漆本堅地をはじめ、同じ漆科のカシュー(和名:勾玉の木)から採れる天然樹脂のカシュー塗料や、合成樹脂のウレタン塗料まで、あらゆる種類の塗装方法を可能としています。
サイズもコーヒーカップなどの小さなものから建材に使用する大きなものまで幅広く塗装可能です。
仏壇工芸の要とも言える塗装の品質は、常に厳しい目をもって吟味しています。
INOUEは、技術力を持った職人のネットワークを有し、あらゆる塗装のご要望にお応えします。